CASE-3

あらすじ

飴井カンナはガレージにひきこもっている不登校児。
動かなくなったキャンピングカーを自分の部屋にしている。

その車には、亡き母との思い出が詰まっていた。
母を亡くし、カンナは学校に行く意味を見いだせなくなった。

母がいた頃、父が変わってしまう前、三人で過ごした時間――
カンナにとって、動かなくなったその車は、楽しかった過去そのものだった。

そんなある日、教育実習生の桃ノ内すももがガレージを訪れる。

「学校、おいでよっ」

その呼びかけを無視しても、すももは怯まない。
ペースを乱さないすももにカンナは苛立ちを覚え、すももを追い返す。

その夜、キャンピングカーの中で眠ったカンナは
懐かしい揺れと温もりを感じて目を覚ました。

「母さん……?」

気がつくと、カンナはすももに抱きしめられていた。
車は動いている。

状況が全く飲み込めないうちに車は停まり、運転席から誰かが降りた。

車を盗まれたことに気付いたカンナは、 窃盗犯・松風梓姫の目を盗んでアクセルを踏み込む。

無免許のカンナが運転する車はさんざん暴走した挙げ句、停車。
炎上したアジトから出てきた梓姫はカンナからハンドルを奪う。

「あたしはオマエの無免許運転にひかれかけた。もっと言えば愛車をスクラップにされた上に住まいも燃やされた」
「面倒ごとが嫌なら、あたしをしばらくかくまえ」

自称スクラップハンターの梓姫は、カンナに条件を突き付ける。

機を見るに敏なすももは、たまたま居合わせたこの好機を逃さなかった。

「じゃあわたしも!」
「カンナくんが学校に来てくれないなら、今日見たこと全部誰かに話しちゃうかも! あたし口軽いから!」

にんまりと笑うすもも。
不敵に微笑む梓姫。

カンナの静寂な日常はあっけなく崩壊した。

退路を断たれ、年上の女性二人に手綱を捕まれたカンナの新しい生活が始まる。

舞台

2061年鳴山市。通信インフラの全てを担っていた人工鳩の電波喰いが始まってから15年がたち、人々は通信機器を全く使わない生活を送っている。
主人公が所属する鳴山公空学園は鳴山空港第2ターミナルを再建して作られた理系学術施設
いつか人類の空を取り戻そうという願いを込めて、公空学園と名付けられた。
付属・学部・博士課程が同じキャンパスで学んでいる。

ヒロイン

もものうち すもも

桃ノ内 すもも

CV_神代 岬

鳴山公空学園付属の教育実習生。 物事を深く考えず、その場がよければそれでよし、という生き方をしている。
元カレは両手でギリギリ数えられる人数。少なくはないが多くもないと本人は思っている。
流されるままに教育実習を受け、主人公のクラスに配属された。
プライドという概念が、すももの中にはそもそも存在しない。
直線的な競争社会の中に生きる我々メンズは、ことあるごとに他人と己を比べ、ときにライバルの足を引っぱり、小さな優劣に一喜一憂する。
そういうメンズの競争を、すももはポカンと見つめている。
楽しければいいじゃん。そんなに一生懸命にならなくていいじゃん。楽しめばいいじゃん。
彼女は純粋にそう思っている。
先にはっきり言っておく。
彼女との恋愛は、童貞には荷が重い。
間違いなく、嫉妬に狂わされる。
元カレに負けているんじゃないか。同じ場所に、元カレと来たことがあるんじゃないか。
寝ても覚めても、すももが何をしているのか、何をしてきたのかが、気になってしょうがなくなる。
しかし刹那的に生きているすももには、あなたの嫉妬が理解できない。
今はあなたのことが好きなのに、どうして昔のことに嫉妬するのか、本当に理解できないのだ。
我々メンズは嫉妬とプライドの狭間に迷い込む。

つまらないことを気にしている自分への嫌悪感。
あっけらかんとしているすももへの敗北感。
なぜ俺だけがこんなにも弱いのだという自己否定。

いくつもの眠れぬ夜の果て、我々メンズは最後に――
女性に白旗をあげる勇気を、すももにもらえるのだ。

決して平坦な道ではない。
だが、桃ノ内すももと出会えてよかったと、きっとあなたは死ぬ間際に思い返すだろう。

サブキャラクター

まつかぜ あずき

松風 梓姫

CV_春乃 いろは

自称スクラップハンター・梓姫。レトロカーを愛する収集家。
全国でスクラップになった車、バイクをタダ同然で譲り受けては修理し、次の街で売却する、という生活をしている。
人にすぐ二つ名をつける癖がある。
すももに付けた二つ名は『ピーチ・ザ・ビッチ』、カンナに付けた二つ名は『キャンディーボーイ』

主人公

あめい かんな

飴井 カンナ

NO VOICE

鳴山公空学園付属の二年生。不登校児。
ガソリンエンジンを積んだ旧式のSUVが宝物。
父と顔を合わせたくないため、自宅のガレージで生活している。
生意気な童貞。