とんぼ(男の子)

登録日:2017-05-31 23:48:52

推しキャラ ラビ・ジエール
好きなルート 強くてコンティニュー
好きなムービー 四五「人類が万有引力の法則を失った場合の考察」
プレイ時間 〜15時間
ボリューム感 短くても物足りなかった
ニューリンを知ったキッカケ 「ぜんぶ童貞のせいだ」広告
ニューリン入手方法 予約してパッケージを買った

感想:



こんにちは。『ニュートンと林檎の樹』楽しくプレイさせてもらいました。ラビとの性別逆転プレイ最高でした。次回作もお願いします(迫真
噂によれば100件以上の感想がこのフォームから寄せられているそうなので、僕は体験版時点の恐ろしい完成度の話でもしようかと思います。

エロゲーの体験版は体験版サイトを巡って相当な数をプレイするのですが、今作は数年に一度の完成度をほこっていたと思います。少しだけ物語研究をかじっているんですが、体験版の冒頭からケツに至るまで「面白いところしかなかった!」という作品にはなかなか巡り合えません。もうこの時点で8000円払った気でいました。え? 五月末にニューリンの続編出るの? やった!とか騒いでました。

具体的な話を少しだけ。

映画の創作技法に、「メインプロット」と「サブプロット」という概念があります。メインプロットとは作中の事件、起こっている出来事を指し、サブプロットはキャラクターの成長や目的を指します。
これがうまーくかみ合っている作品がエンターテイメントとしては面白いと一般的には言われており、エロゲ(萌えゲーであっても)も同じだと思っています。
本作の場合、メインプロットはじいちゃんから手紙が届き、幼馴染に連れられてロンドンへいくことになり、そこでタイムトラベルしてしまう。ついた先は17世紀で、ニュートンのいる時代だった。そこで彼らは、ニュートンの着想の瞬間を奪うという決定的なミスを犯してしまい、壊れたタイムマシンを直すこととなった……というものです。

これだけでも十二分におもしろいのですが、ここに、サブプロットが重なっているのが最高だと思いました。
それは、朝永修二は「物理の道を諦めており、やりたいこととして音楽を見つけた。しかしそれを幼馴染に咎めらる。主人公はじいちゃんに物理はやめると直接言いに行く」というものです。これがあるかないかはまったく違っていて、たとえばこの動機がなかったら完全巻き込まれ型主人公として物語が進みます。しかしそのとき、朝永修二は「この物語で何をする人なんだろう?」という情報がなく、ふわふわした気持ちで読まなければならなくなります。
この話が導入にあることで、「朝永修二は最終的に物理をやるのかな?じいちゃんと喧嘩するのかな?四五の期待につぶれてしまうのかな?」など多くの想像を働かせながら、『タイムトラベル』ものを読むことができます。

そして、作中にちりばめられた「驚き」の要素が多いのも凄いと思いました。ニュートンが金髪ツインテールの女の子だった、というのもポイントですが、ラビの初対面で「おまえこの時代の人間じゃないダロ」と言われるのも驚きポイントですし、「じいちゃんを探したら、じいちゃんの若いころがいた」も驚きです。もちろん、朝アヌスも驚きポイントです。くそ笑いました。

キャラクターの個性も抜群でした。
めっちゃ嫌がらせ(結局してこなかったのが残念ですが)するアリス、計測マンの四五、マッドサイエンティストでアナリストのラビ、芋教徒にバランサーの春、そして突っ込みのセンスがさえわたる修二。ギャグシーンはどれも最高でした。

とにかく導入部分に飽きるところがまったく存在せず、しかも今後の展開に期待が持てる、ギャグも面白い、完ぺきじゃないですか!!!!


面白くない作品はだいたい、「主人公が非常に受動的でつまらない」「作中で事件や、やらなければいけないことが存在せず、ぐだぐだの日常を見せられる」「事件が続きすぎて、読みたい恋愛ものが全然読めない」などが挙げられると思います。
これはすべて、メインプロットとサブプロットのバランスがよくないことで起こる現象です。

ラプラシアン様が今後、ゲームを作る際、「どうしてニュートンと林檎の樹は売れたんだろう」と分析するときに、一つ参考にしていただければと思って書かせていただきました。

次回作も期待しております。


開発者から:


こんにちは。
男根のニョッキプレイ、良かったですか。
賛否が割れそうなシーンを一身に担ってくれたラビも報われるかと思います、ありがとうございます。

サブプロットとして取り上げて頂いた、修二の行動原理が中盤以降、弱まってしまったのが、そしてそれを改稿で補填できなかったのが、今振り返った時の一番の反省点ですかね。
折角各キャラクターが、主人公が逃げ出してしまった(科学)にひたむきに取り組んでいる訳だから、ヒロインがそれを乗り越えるメインプロットが、それを支える主人公の個人的課題とリンクしてカタルシスを迎えたら、もう一皮も二皮も剥けて、もしかしたら全編を通して「恐ろしい完成度」と評して頂けたのかもしれません。

いずれにしても、自分で生み出した物語について、こうして多くの人が語らってくれる、一言物申そうと、行動してくれる、というのが、僕自身の創作モチベーションの大きな所を占めております。
あぁーどこかで誰かが、自分が作った物語、キャラクターのこと考えてくれてる、幸せ、という心持ちです。

いずれにしても、物語創作というのはパズルのように積み上げていく面があり、作り手の感性で押し切る面もあり、とにかく生涯をかけて取り組む価値のある作業ですね。

機知に富んだご意見、ありがとうございました。
(緒乃)

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