天才少女は重力場で踊る
天才少女は重力場で踊る

「白昼夢の青写真」の緒乃ワサビが送る、
王道SFラブコメディ

天才少女は重力場で踊る

緒乃ワサビ/著

781円(税込)

2024年626日(水)発売

ネットで購入  yomyom
「緒乃ワサビ」
インタビュー

未来からのメールには、こう記されていた。

「わたしとあなたが恋をしないと、世界は終わる」

不機嫌な美少女×タイムパラドックス×暴走する粒子 不機嫌な美少女
×
タイムパラドックス
×
暴走する粒子



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あらすじ

卒業単位欲しさに訪れた研究室で俺を迎えたのは、異様に不機嫌な少女だった。彼女は17歳にして教授だという。もう一人の老教授に宥(なだ)められ、案内された先にあったのは、未来と交信するリングレーザー通信機。うっかり未来を観測した俺は、自分と世界の存在を不安定にしてしまう。助かる方法はただ一つ!
天才×美少女×タイムパラドックス×暴走する量子
=世界を揺るがす青春小説!

キャラクター

万里部 鉱まりぶ こう

本作の主人公、俺。
某私立大学物理学科4年生。
卒業単位欲しさに訪れた研究室で、世界を揺るがす事態に巻き込まれることになる。超がつく潔癖症で、スナック菓子は箸で食べる。

三澄 翠みすみ すい

弱冠17歳にして、特別招聘教授の天才少女。
幼くしてアメリカに渡りMITに入学したものの、恩師である一石の研究を手伝うため、中退して帰国。全リソースが頭脳に集中している故か、ちょっと残念な面もある。

一石 余市かずいし よいち

主人公が所属する一石研の教授にして、三澄が心酔する先生。
アインシュタインを思わせる風貌で、いつもパイプをくゆらせている。不可能を可能にする画期的な理論を考案した天才。そのユーモアセンスも常人離れしている。

店舗特典

メロンブックス特典

書き下ろしSSリーフレット
タイトル:天才・三澄翠の考察と提唱【アップルパイの有用性について】

B2タペストリー〈※有償特典〉

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ゲーマーズ特典

書き下ろしSSペーパー
タイトル:気分転換の試行錯誤

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書泉特典

書き下ろしSSリーフレット
タイトル:傲慢な傘

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ときわ書房本店特典

緒乃ワサビ直筆サイン本+書き下ろしSSペーパー
タイトル:三大欲求の真実

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関係者コメント

緒乃ワサビ

〈著者〉

今年、自分ならどんな物語を読みたいだろうか。

そんなことを考えながらこの小説を書きました。

本を開いてから閉じるまでの一時、明るく楽しい世界に浸れるような作品。

「めでたしめでたし」の後に、現実での生活もいっちょ頑張るか、と前向きな気持ちになれる作品。

今年、手に取りたいのはそういう作品だろうと、そう感じた2024年1月にほとんど一息で書いたのがこの小説です。


企画が固まるまでは肩に力が入っていました。

自分の小説が書店に並ぶことに強い憧れがあったからです。

この一作で自分の夢が叶う。
そう思うと、いらん力まで自然と身体に入ってしまうものですね。

しかし考えてみると、こんな機会に恵まれたのは、Laplacianというゲームブランドを受け入れてくれたユーザーさん達がいたおかげです。

自分で考えた物語を受け取ってもらえる、面白いと言ってもらえる、その原体験と創作の修練の場をくれたのは間違いなくLaplacianのゲームを買ってくれたかたがたです。

担当編集者の新井さんと会えたのも、『白昼夢の青写真』という作品の感想を呟いているのを、こちらがめざとく見つけたのがきっかけでした。エゴサさまさまです。

そういう出会いだったので、この小説も今までのユーザーさん達の好きな色のものにしたいと思いました。

届けたい人が定まったことで、作品の輪郭もぼんやりと見えてきました。

自分の作る、明るく楽しい世界に必要なのは、

性格のいい主人公にちょっとしたアクシデント、
そして魅力的な恋愛相手との青春です。

そんな概要が固まってから年明けを迎え、2024年1月第1週のニュースを眺めながら感じた、自分の読みたい小説像を融合させて、楽し気な作品を目指して書きました。

Laplacian作品に慣れているかたは、これまでの作品と似て非なる物語体験を楽しんで頂けると思います。

そして、Laplacianだのビジュアルノベルだの何のことやらサッパリというかたにもまた、
ちょっとした非日常を楽しんで頂けるものになっています。

タイトル、あらすじ、表紙――どこかにピンとくるものがあったら、まずはパラパラとページをめくってみてくださいネ。

ぺれっと

〈装画〉

お疲れ様です、イラスト担当のぺれっとです。

今回制作したイラストは一枚ですが、しっかりと気合が、具体的には普段Laplacianで制作しているゲームのパッケージやキービジュアルぐらいの気合いが入っています。
表紙だから当然ですね。

天才で美人なヒロインの三澄翠と、それに似つかわしくない薄暗くてきったない部屋のコントラストが映えるものに仕上がったかなと思います。
また、窓を背にして逆光を背負わせる明暗の強調や、魚眼による集中線的な視線誘導効果を狙い、中央に大きく据えた三澄をガッツリ目立たせるデザインになっています。
よく見ると端にワケのわからんものが鎮座していたりするこの部屋ですが、本編中のワンシーンを切り取った一枚なので、ぜひどのシーンか探してみてください。

緒乃さんが物語の中身を作っていく傍らで、徐々に濃度が上がっていくキャラクターやシーンのイメージをもとに一緒に作っていきました。
至近距離で制作を同時進行し濃いものが作れるのがLaplacian内製のいいところです。

個人的にも満足度の高いイラストになりましたので、じっくり見ていただければ嬉しいです。

新井久幸

〈新潮社 担当編集〉

ここをご覧になっている方には今更説明の必要もないと思いますが、この本の成り立ちにも関係しているので、初めに少しだけお話しさせて下さい。
「白昼夢の青写真」について、です。

ノベルゲーム、ビジュアルノベルと呼ばれるジャンルがあります。イラストや音楽、音声と一緒に、画面上の文字を追って物語を楽しむもので、ゲームの世界では一つのジャンルとして確立し、後に他メディアに展開していった作品も多々あります。
人気のあるジャンルだけに、名作も多い分、競争も激しく、毎年沢山の作品がリリースされています。
そんな中で、数年前に彗星のごとく現れ、その後「神ゲー」の名をほしいままにしている作品があります。皆さんもご存知の、「白昼夢の青写真」です。

シナリオ、ビジュアル、サウンド、どれをとっても、狂気のごとき作り込みと桁外れの完成度を誇り、歴戦のユーザーを虜にして来ました。
かくいう自分も、その一人です。
特に、複数のシナリオが個々に奏でる、喜怒哀楽では決して表現できない、いわく言いがたい感情の数々。それらが重層的に絡み合い、更に大きな物語となって読者を呑み込んでいく圧倒的なうねり。
自分が知らなかっただけで、世の中にはまだまだとんでもない作品があるんだなあ、とため息混じりに実感した瞬間でした。

物語を愛する人間として、一人でも多くの人にこのゲームに触れてもらいたいと思うと同時に、編集者の性として、「こんな凄いものを書く人に会ってみたい」。そして、「できることなら仕事がしたい。ゲームに触れる機会や興味のない人たちに、こんな凄い人がいるんだよと知らせたい」と考えるようになりました。

その後、ひょんなことからシナリオと製作総指揮を務める緒乃ワサビ氏と知り合う機会を得、形になったのがこの作品です。初めてメッセージを交わしてから、わずか一年半弱。
その間、製作会社であるLaplacianの皆さんにも加わってもらい、みんなでああだこうだとディスカッションしながら作品を作り上げていく過程は、仕事を忘れるくらい、純粋に楽しい時間でした。誇張なく、十数年若返った気分でした。

読んで楽しい。思わずニヤニヤしてしまう。
今日が多少しんどくても、明日もまあ頑張るか、とちょっと元気になれる。
そんな、エンターテインメントの王道です。

ボリュームは「白昼夢の青写真」には及びませんが、「白昼夢」の、そして緒乃ワサビのエッセンスが詰まっています。一刻の間、時間と現実を忘れて物語の世界で過ごしたい。そんなあなたに、ぴったりの作品です。
キーワードは、

天才、美少女、キャンパス、ツンデレ、サイエンス、タイムパラドックス、セカイの終わりetc そして、ちょっとミステリ。

と、天こ盛り!
しかも、作中のタイムトラベル理論は、アメリカで特許を申請している、実在のものに即しています。←ホントです!
といっても、難しいとか分からないとかは一切ないので、ご安心を。
堅苦しいことなしで、量子世界の深淵をご覧に入れます。

と、語り出したらきりがないので、少しでもご興味をもっていただけたら、是非本編を。
試し読みも、丸々一章ご用意しました!

次は、読み終わったところで、あんな話やこんな話で盛り上がりましょう!!